「姿なき天才 橘逸勢」

1000年も昔の日本の、ほとんど誰も注目しない「ミステリー」が、日本のなにか大切なことをときあかす「玉手箱」ではないかという羅針盤なき航海を、つづけているーー
いまも世界を魅了する源氏物語・枕草子など女流作家の名作、小野道風ら三蹟に代表される「かな文字」のたおやかな書は、なぜ新都・平安京に華ひらいたのか。絶対権力を誇った藤原北家の栄光は、なぜ武士の雄たけびに突然かき消され、恋と歌と人と自然が織りなす国風文化の世が、貿易に奔走し合理性を追求する貨幣経済の時代へと怒涛の転換をとげたのか。
あの司馬遼太郎でさえほとんど気にもとめなかった、ひとりの男がいる。世界一の都・唐の長安で空海と寝食をともにし、帰国後はもう一人の日本三筆・嵯峨天皇と希代の美女・嘉智子皇后のために琴を弾き、文人として生きた。さびしき皇女・伊都内親王のために筆をとり、その息子で平安きっての男前歌人・在原業平の手本となった男。
その名は、橘逸勢(たちばなのはやなり)。
姿なき天才の実像に迫る。日本が可憐に輝いた謎の時代の「玉手箱」が、あく。

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